2006年、EP『Inner Research』で音楽の世界に登場したAwich（エイウィッチ）。
同じ年、彼女はアメリカ・アトランタへと渡ります。
現地のストリートカルチャーを体感しながら、翌2007年には初のフルアルバム『Asia Wish Child』を発表しました。
日本とアメリカという異なる文化のあいだを行き来する中で、Awichは自分自身の音楽を少しずつ形にしていきます。
その後、アメリカ人の男性と結婚し、長女を出産。
さらに、インディアナ州にある大学で起業学とマーケティングを学び、学士号を取得しました。
知性と情熱を兼ね備えた彼女の歩みは、決して順風満帆ではありません。
家族で日本に帰国することを決めた矢先、突然の悲劇が彼女を襲います。
夫が亡くなったのです。
深い悲しみを抱えながらも、Awichは娘と共に故郷・沖縄へ戻ります。
そして、再び音楽に向き合い、本格的な活動を始めました。
2017年にはヒップホップクルー「YENTOWN」に参加。
Chaki Zuluがプロデュースを手がけたアルバム『8』を発表し、その評価は日本国内にとどまらず、海外からも高い評価を受けました。
2018年には全国5都市を巡るワンマンライブツアーを開催。
2020年7月にはユニバーサルミュージックからメジャーデビューを果たし、その名をさらに広めていきます。
沖縄出身のラッパー・唾奇とのツアー。
注目のトリリンガルラッパー・ちゃんみなとの横浜アリーナでの共演など、話題に事欠きません。
力強く感情を揺さぶるラップと、ステージでの圧倒的な存在感で、多くのファンを魅了しています。
そんな彼女の今回ご紹介するのは、2025/04/14にYouTubeで公開された「Butcher Shop」の動画です。
今回の作品では、ニューヨーク出身の実力派ラッパー・FERGとコラボレーション。
さらに、ヒップホップ界の伝説「Wu-Tang Clan」の創設メンバーであるRZAが全面プロデュースを務めています。
世界のヒップホップの精神を継承した、重厚で深みのある一曲です。
Awichは「2025年、私は世界への挑戦をすることをみんなに誓った」と語ります。
この曲はその想いを形にした、彼女の“世界挑戦”の一歩なのです。
2024年には、日本人ラッパーとして初めて音楽フェス「コーチェラ」の舞台に立ち、国際的な注目を集めた彼女。
今回の「Butcher Shop」は、まさにAwichがグローバルアーティストとして本格的に飛躍する象徴的な一曲と言えるでしょう。
熱い想いが詰まったラップと、世界水準のサウンドに心を奪われること間違いなし。
ぜひこのMVで、Awichの魂に触れてみてください。
