Camila Cabello(カミラ・カベロ)は、「The X Factor」をきっかけにFifth Harmonyのメンバーとして一躍注目を集めました。
ただし、彼女の物語はそこで完結しません。
グループとして世界的な成功を収める一方、ツアー先のホテルのバスルームで静かに曲を書き、ラップトップ1台でビートを組み立てながら、「自分自身の物語」を音楽に刻み続けていたと言われています。
転機となったのが、コラボ曲「Bad Things」のヒットです。
この成功によってソロ・アーティストとしての可能性が大きく広がり、彼女はFifth Harmony脱退という大きな決断を下しました。
それは勇気のいる賭けでもありましたが、結果はすぐに形となって表れます。
2017年に発表された「Havana」は、キューバ移民としてのルーツとポップスを融合させた楽曲です。
世界各国で1位を獲得し、カミラは一気に“ラテン・ポップ新時代”を象徴する存在へと躍り出ました。
デビューアルバム「Camila」も全米1位を記録し、「Señorita」でショーン・メンデスとの化学反応が話題になると、彼女は「グループ出身の一人」から「確かな世界観を持つ主役」へと立場を変えていきます。
映画出演や社会活動にも取り組みながら、彼女が一貫して大切にしているのは、移民としてのルーツと、ロマンティックでドラマチックな物語性です。
Fifth Harmonyの一員だった少女が、自分の名前だけで世界のチャートを制するまでの歩みは、まさに現代的なサクセスストーリーと言えるでしょう。
今回ご紹介したいのは、YouTubeで2024/06/28に公開された「B.O.A.T.」の動画です。
夜のホテルの一室。
横になりながら、過去に言われた言葉を何度も思い返してしまう。
誰もが経験したことのある「やめられない反芻」から物語は始まります。
送れなかった連絡。
友達に戻ろうとしても消えない嫉妬心。
元恋人への未練と怒りが入り混じる複雑な感情を、驚くほど率直な言葉で描いています。
コーラスの
「You were right, that I want you when you’re not mine」
という一節。
それは「手の届かない存在になったときほど恋しくなる」という、誰もが抱える矛盾を真正面から突いてきます。
忘れようとした瞬間に、なぜ忘れようとしていたのかさえ曖昧になる。
そんな心の揺れが、3分半に凝縮されています。
失恋していなくても胸が締めつけられる。
そんな不思議な感覚を味わわせてくれる1曲です。
彼女の生々しい歌声と、言葉のひとつひとつの重み。

