Camila Cabello(カミラ・カベロ)は、オーディション番組「The X Factor」をきっかけにグループ「フィフス・ハーモニー」の一員として一躍注目を集めました。
しかし、彼女の物語はそこで完結しません。
グループとして世界的な成功を収める傍ら、ツアー先のホテルのバスルームで静かに曲を書き、小型の音楽制作機器ひとつでリズムを組み立てながら、「自分自身の物語」を音楽に刻み続けていたと言われています。
転機となったのが、共演曲「Bad Things」のヒットです。
この成功によってソロアーティストとしての可能性が大きく広がり、彼女はフィフス・ハーモニーを脱退するという大きな決断を下しました。
勇気のいる賭けでもありましたが、結果はすぐに形となって表れます。
2017年に発表された「Havana」は、キューバ移民としてのルーツと軽快なポップスを融合させた楽曲で、世界各国でチャート1位を獲得。
カミラは一気に「ラテン・ポップ新時代」を象徴する存在へと躍り出ました。
デビューアルバム「Camila」も全米1位を記録し、「Señorita」でショーン・メンデスとの共演が話題を呼ぶと、彼女は「グループ出身のひとり」から「確かな世界観を持つ主役」へと大きく立場を変えていきます。
映画出演や社会活動にも精力的に取り組みながら、彼女が一貫して大切にしているのは、移民としてのルーツとロマンティックでドラマチックな物語性です。
フィフス・ハーモニーの一員だった少女が、自分の名前だけで世界のチャートを制するまでの歩みは、まさに現代のサクセスストーリーといえるでしょう。
今回ご紹介したいのは、2022年9月21日にYouTubeで公開された「Ai Preto」のブラジルの大規模音楽祭「Rock in Rio 2022」でのライブ映像です。
世界的なポップスターであるカミラが、ブラジルのローカル文化である「ファンク」に本気でリスペクトを捧げている点がとくに見どころです。
MCで「ブラジルの友達を呼ぶわ!」と紹介され、L7NNON、ビアンカ、DJ ビエウ・ド・フルドゥンシーニョの3人がステージに登場すると、10万人規模の観客の熱量は最高潮に達します。
降りしきる大雨をまったく気にすることなく、ブラジル国旗を背中に羽織りながらローカルアーティストたちと肩を組み、腰を落としてセクシーなファンクダンスを踊り狂うカミラの姿は、あまりにも無邪気でパワフルです。
音楽配信で1位を獲得した「Ai Preto」の重低音の効いた強烈なビートと、ブラジルの観客による地鳴りのような大合唱も見逃せません。
観客の熱量に感化されたカミラが満面の笑みで一緒に口ずさんだり、ゲストのビアンカにポルトガル語で叫ぶシーンは、彼女のフレンドリーで魅力的な人柄を完璧に表しています。
土砂降りの雨すら最高の演出に変えてしまう、スタジアム規模の巨大なダンスパーティー。
世界的なポップスターがブラジルの文化とファンに最高の形で寄り添った、愛と熱気に溢れるこのパフォーマンスを、今すぐ観ることをとくにオススメします。

