テイラー・スウィフトは1989年にアメリカのペンシルベニア州で生まれました。
14歳のときに大手音楽出版社と最年少で契約を結び、音楽の道を本格的に歩み始めました。

2006年にデビューすると、2008年に発表した2枚目のアルバム「Fearless」が大きな転機となりました。
この作品は高く評価され、2010年には最優秀アルバム賞を含む四つの賞を受賞しました。

その後、2014年の「1989」では音楽の方向を大胆に変え、軽やかで華やかな曲調で多くの人を魅了しました。
「Shake It Off」などの大きな成功を収めたことで、世界的な人気を確かなものにしました。

2020年には静かで深みのある作品「Folklore」を発表し、三度目の最優秀アルバム賞を獲得しました。
さらに2022年の「Midnights」は評価が非常に高く、2024年には史上初めて四度目の最優秀アルバム賞を受賞しました。

2023年3月から始まった「エラス・ツアー」は五つの大陸を巡る大規模な公演となり、2024年12月までに149回の公演を行いました。
全公演を通じた売上は非常に大きく、三時間をこえる内容で全てのアルバムを振り返る構成が話題になりました。
この成功により、2023年には音楽活動だけで個人の資産が十億ドルを超えたと言われています。

今回ご紹介したい動画はYoutubeで2025/10/06に公開された「Wi$h Li$t」の動画だ！

この作品は、華やかな世界の裏にある素朴な願いを丁寧に描いた、心に響く内容となっています。
ヨットやヘリコプター、カンヌ映画祭のパルム・ドール、オスカー像など、人々が憧れる栄光や富が次々と登場します。
それらに対して彼女は、「彼らは手に入れるべきだし、価値がある」と優しく語りかけます。

とくに印象的なのは、そうした豪華な願いと、自分自身の本当の望みとの対比です。
「私が欲しいのは、ただあなただけ」。
「子どもを2人くらい育てて、バスケットボールのゴールがある家の前で」。
彼女が本当に求めているのは、特別な誰かと過ごす静かな幸せと、家族との日常なのです。

曲名に使われたドルマーク「$」は、物質的な価値を象徴しているように見えます。
しかし実際には、富や名声を否定し、愛こそが真の願いであることを強調しています。
「世界に『放っといて』って言えば、本当に放っておいてくれる」という歌詞からは、静かな幸福とプライバシーへの切実な想いが伝わってきます。

名声と富に囲まれながらも、シンプルで誠実な愛を求め続けるテイラー・スウィフト。
その想いが、歌詞一つひとつとともに丁寧に表現されたリリックビデオです。
まずは映像と音楽で、この静かなメッセージを受け取ってみてください。
きっと、最後まで動画を観たくなるはずです。

出典：Youtube: Taylor Swift